進む見直しの概要
男性の育休取得促進のため育児休業制度の見直しが進んでいます。1月27日に労働政策審議会に諮られた改正法案要綱によれば、見直しの概要は次のとおりです。
Ⅰ 育児休業の改正
・育休を分割して2回取得可能にする
・出生後8週以内の男性の休業は、新制度の下で、分割して2回取得可能にする
・有期雇用労働者について、雇用された期間が1年未満の者も取得可能にする
Ⅱ 事業主が講ずべき措置の改正
・対象者に個別の働きかけと環境整備を義務付ける
上記Ⅰについては、図表1のとおり、子の出生後8週以内の父親の休業が2回取得可能となります。また、育児休業も2回取得可能になるので、いったん職場復帰した後でも子の体調等により再度休業でき、とても取得しやすくなります。
図表1 ↓
また、Ⅱの事業主の働きかけと環境整備の義務付けは、男性の育休取得が進まなかった最大の原因である「職場の理解不足」を改善するうえで大変注目される施策です。長い間、わが国では、男性が「育休を取りたい」と思っても、「職場がそんな雰囲気ではない」「仕事をおろそかにできない」「今後の昇進に響くのではないか」などと考え、消極的にならざるを得なかった状況を変えていけるのではないかと期待されるからです。
環境整備は有効か
ところで、事業主が働きかけや環境整備をすると本当に育休取得が進むのでしょうか。
数年前のデータになりますが、厚生労働省が委託実施した調査に興味深いデータがありましたので、以下の図表2、3に抜き書きしてみました。
図表2、3 ↓
まず、図表2の育休の利用状況です。育休を利用した人は、女性(正社員)に比べ、男性と女性(非正社員)において極端に低い状況にありました。しかし、育休を利用しなかった人の内訳を調べると、男性も女性(非正社員)も利用したかったと思っていた人が相当数いることがわかります。
次に、図表3の企業の育休利用に関する働きかけと実際の育休利用の有無との関係です。育休利用の有無別に、会社からの働きかけ(制度周知や面談、取得勧奨、復帰後の説明等)があったかどうかを確認したところ、育休を利用した人ほどさまざまな働きかけを受けていることがわかりました。
働きかけや環境整備は、制度についての情報提供の意味があることはもちろん、制度を利用することについての安心・保証を与える意味でも、男性のみならず、女性(非正社員)の育休利用を推進のために非常に効果的だと考えられます。
以上のように、今回の育休制度の見直しにおいて、利用しやすい育休制度とともに、育休を利用しやすくなる職場の環境整備が検討されていることは喜ばしいことですが、もう一つ、社会一般の理解促進も必要です。
昨年9月、国政選挙に立候補したことのある女性が、「『産後うつ』は『甘え』です」とツイッターに投稿し、多くの批判を受けたという残念な事件がありました。育児を支援することは「甘え」とは関係がありません。育児支援の意味が正しく理解されていくよう望まれるところです。
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さっと通信
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