新「副業ガイドライン」発表

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9月1日、厚生労働省は『副業・兼業の促進に関するガイドライン』(以下『ガイドライン』といいます。)の改訂を発表しました。


最近は、追加的収入のため、副業を希望する人が増えています。また、9月1日には、副業等により複数事業所で働く労働者に対する保険給付を拡充する改正労災保険法が施行になりました。
今後、人材サービスの分野でも追加的収入を求めて、副業での就業を希望する求職者が増加する可能性がありますので、『ガイドライン』の内容についてチェックしておきましょう。

『ガイドライン』見直しの経緯

政府は、「働き方改革実行計画」で、副業を推進することとしてきました。
しかし、実際に副業を推進しようとすると、労基法38条の取扱い(注;労働時間の計算に当たっては異なる事業主の間でも時間を通算することとされています)が問題になっていました。労働時間が通算されるとすると、本業の事業所で法定労働時間(8時間)働けば、同じ日に働く副業先では割増賃金を含めた賃金を支払わなければならないこととなり、これでは副業の促進は困難ではないかという意見がありました。他方、労働者の健康管理の観点からは、労働時間の通算は譲れないという意見もありました。
この問題について、昨年夏の規制改革推進会議では通算をやめるべきだという議論も出ましたが、本年6月16日の未来投資会議で、労働時間の通算は維持しつつ、簡便な時間管理方法の導入によりその促進を図るという基本的方向が示されていました。
今回の厚生労働省の『ガイドライン』の改訂は、こうした経緯を踏まえつつ、実務的な対応の方策を示したということになります。

『ガイドライン』の基本的枠組み

『ガイドライン』は、まず、原則、副業を認める方向で進めることが適当であるとします。そして、未来投資会議の方向に沿って、①副業の確認は、労働者の申告によること、②通算される労働時時間は、本業の事業所(A事業所)と労働者から申告のあった副業の事業所(B事業所)の労働時間とし、これらは労基法38条により通算すること、③労働時間の管理方法には、基本の方法に加え、簡便な方法も提示する、という枠組みで編成されています。

時間外労働の取扱い

次の2つの方法が示されています。今後は、いずれかの方法で対応していく必要がありそうです。

(1)基本の方法
『ガイドライン』では、最初に、基本の管理方法を記述しています。使用者は、
①まず、労働契約の締結の先後の順に所定労働時間を通算し、
②次に、所定外労働の発生順に所定外労働時間を通算し、
その労働時間について、法定労働時間を超える部分のうち、自ら労働させた時間について割増賃金を支払うとしています。
『ガイドライン』に図解はないのですが、例えば<参考図1>のような場合を想定することができます。しかし、これはかなりややこしい取扱いになってしまいます。

(2)簡便な管理方法(「管理モデル」)
そこで、『ガイドライン』においては、上記の方法のほかに、労使双方の負担を軽減する簡便な方法として、「管理モデル」という方法を提示しています。
「管理モデル」ついても図解してみると、概ね<参考図2>のとおりです。すなわち、副業の開始前に、Aの労働時間とBの労働時間が労基法の制限(単月100時間未満・複数月平均80時間)以内となるようそれぞれの労働時間の上限を設定し、それぞれの使用者がその範囲内で労働させるものとすることとします。
これによると、A・Bのそれぞれがあらかじめ設定した範囲内で働かせるので、ややこしい労働時間の計算をしなくても法律が守られることになると考えられています。

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