永住者
在留期間を制限されることなく滞在国に永住できる権利のことを「永住権」といいますが、在留資格「永住者」を取得するとこの権利を得ることができます。在留資格「永住者」を取得するには、永住許可申請をします。
在留資格の概要
在留資格「永住者」とは
在留資格「永住者」については、入管法別表第二において、「法務大臣が永住を認める者」と規定されています。
永住が認められると、次のようなメリットが生まれます。
・在留期間に制限がなくなり、在留資格の更新をしなくてもよくなくなります(在留期間に制限はありませんが、在留カードには7年の有効期間があり、更新の必要があります)。
・在留活動に制限がなくなり、働く人は職種等に制限なく働くことができるようになります。
・永住権を取得しますので、仕事を辞めたり、配偶者と死別等したりしても、引き続き在留することができます。
・配偶者や子に「永住者の配偶者等」の資格が与えられ、家族の活動の範囲が広がります。
在留資格「永住者」は、一定の在留資格を所持して在留している外国人が、永住許可を申請して認められるものです。永住許可の審査中は、それまで所持していた在留資格が有効であることが前提です。永住許可は通常の在留資格の審査以上に長期間かけて行われますが、この間に、それまで持っていた在留資格の期限が来て失効すると、不法滞在になってしまいますので注意しましょう。
基本的要件
永住が認められるためには、基本的に、次の(1)(2)(3)、すなわち「素行」「生計」「国益」の3要件を満たすことが必要です(入管法22条2項)。
ただし、永住を希望する人が日本人、永住者または特別永住者の配偶者または子である場合には,「素行」及び「生計」の要件に適合することを要しないこと(同項ただし書き)、また,難民の認定を受けている者の場合には、「生計」の要件に適合することを要しないこと(62条の11)とされています。これを逆から見れば、次のそれぞれの場合に満たさなければならない要件は次のようになります。
基本・・・・・・・・・・・・「素行」「生計」「国益」の3要件
日本人の配偶者や子等・・・・「国益」の1要件のみ
難民認定を受けている者・・・「素行」「国益」の2要件
3要件とは、次のとおりです。
(1)素行要件
素行が善良であることですが、具体的には、日常生活において法律を守り、住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいることをいいます。
(2)生計要件
独立の生計を営むに足りる資産または技能を有することをいいます。具体的には、日常生活において公共の負担にならず,自分の持っている資産または技能等を生かして将来において安定した生活が見込まれることをさします。
収入について、決まった基準はありませんが、概ね年収300万円、扶養家族がある場合には1人当たり70万円加えた額が目安になります。

(3)国益要件
その人に永住を認めることが日本国の利益に合すると認められることをいいます。具体的には、次の4つのいずれにも該当することが必要です。
ア 原則として“引き続き”10年以上日本に在留していることが必要です。また、この場合、就労資格(在留資格「技能実習」及び「特定技能1号」を除く。)または居住資格をもって引き続き5年以上在留していることが必要とされています(これは、5年以上日本で納税するといると評価されると考えるとわかりやすいでしょう)。
(例) ○留学4年+技人国6年
×留学6年+技人国4年
イ 納税義務等公的義務を果たし、法令を遵守していることが必要ですが、特に「納税」「公的年金・健康保険の保険料納付」が重要です(これらについては2019年7月から特に厳格な審査がされるようになっています)。
年収と納税の証明については、過去5年分の証明書の提出が求められます。また、年金と健康保険料の納付については、過去2年分の保険料支払い納付書が求められ、未納や支払期限を過ぎてからの納付があると認められないことになりますので注意が必要です。
また、公的義務を果たすことには、当然のことながら「入管法に基づく届出等履行」も含まれますので、留意が必要です。
ウ 現在持っている在留資格について、入管法施行規則別表第二に規定されている最長の在留期間をもって在留していることが必要です。この「最長の在留期間をもって在留している」の取扱(運用)としては、当面、在留期間「3年」を有する場合をいうものとされています。
エ 公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないことが必要です。これは、具体的には感染症予防法に定める一・二類感染症等にかかっていないこと、麻薬等の薬物中毒者で ないことなどです。

原則10年在留に関する特例
在留資格「永住者」を取得するには、原則として「10年以上在留していること」が求められますが、一定の条件を満たしている場合には、在留期間が10年に満たなくても特例的に認められることがあります。
(1)日本人の配偶者である場合など
日本人、永住者及び特別永住者の配偶者の場合、実体を伴った婚姻生活が3年以上継続し、かつ、引き続き1年以上日本に在留していることにより、特例の対象になります。その実子等の場合は、1年以上日本に継続して在留していることで、同様に扱われます。
(2)在留資格「定住者」である場合
「定住者」の在留資格で5年以上継続して日本に在留していることにより、特例の対象になります。
(3)難民の認定を受けた場合
認定後5年以上継続して日本に在留していることにより、特例の対象になります。
(4)日本への貢献があった場合
外交、社会、経済、文化等の分野で我が国への貢献があったと認められる者の場合、5年以上本邦に在留していることにより、特例の対象になります。
(5)高度専門職の場合
高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に70点以上を有している者であって、高度人材外国人として3年以上継続して日本に在留していることにより、特例の対象になります。ポイント80点以上を有している者の場合は、上記の期間が1年以上に短縮されます。
必要書類
必要書類は、「日本人の配偶者等」などの場合、「定住者」の場合、就労関係または「家族滞在」の場合、高度人材外国人のパターンによって違いがあります。
なお、出入局在留管理庁の標準処理期間は4か月と公表されていますが、実際には1年程度かかります。
1 永住許可申請書
2 写真(縦4㎝×横3㎝) 1枚
3 理由書
(「日本人の配偶者等」などの身分系以外の「定住者」、就労関係、「家族滞在」「高度人材外国人」の場合は必要。身分系の場合はなくても可であるが、追加資料として求められることもあり、つけておいた方がよい。)
4 身分関係を証する書面
(「日本人の配偶者」の場合)配偶者の方の戸籍謄本
(「日本人の子」の場合)日本人親の戸籍謄本
(「永住者の配偶者」の場合)配偶者との婚姻証明書等
(「永住者又は特別永住者の子」の場合)出生証明書等
(「定住者」の場合)戸籍謄本、出生証明書、婚姻証明書、認知届証明書のいずれか
(「家族滞在」の場合)戸籍謄本、出生証明書、婚姻証明書、認知届証明書のいずれか
5 申請人を含む家族全員の住民票の写し
6 申請人又は扶養者の職業を証明する書類
7 申請人又は扶養者の住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書
※「日本人の配偶者等」など3年分、
「定住者」・就労・「家族滞在」5年分
「高度人材外国人」は80ポイント以上の方1年分、70ポイント以上の方3年分
8 国税の納税証明書(その3)
9 申請人または扶養者の社会保険の保険料納付状況
公的年金の納付状況
ア 年金定期便
イ 直近2年間の国民年金保険料領収書(写し)
公的医療保険の納付状況
ア 健康保険証写し(2年間健保被保険者の場合次のイの資料は不要)
イ 国民健康保険被保険者省写しと直近2年の健康保険料領収書(写し)
※「日本人の配偶者等」など、「定住者」・就労・「家族滞在」2年分
「高度人材外国人」は80ポイント以上1年分、70ポイント以上2年分
10 ポイント計算表及びその説明資料(「高度人材外国人」の場合)
11 申請人または扶養者の資産を証明する資料
(「定住者」、就労関係、「家族滞在」「高度人材外国人」の場合)
12 了解書
13 パスポート(入管局の窓口で提示)
14 在留カード(入管局の窓口で提示)
15 身元保証書と身元保証人の印鑑または署名、同職業を証する書類、同直近1年の課税証明書・納税証明書、住民票
<入管HP>
「日本人の配偶者等」などの場合
http://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/zairyu_eijyu01.html
「定住者」の場合
http://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/zairyu_eijyu02.html
就労関係又は「家族滞在」の場合
http://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/zairyu_eijyu03.html
高度人材外国人の場合
http://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/nyuukokukanri07_00131.html

定住者
在留資格「定住者」は、他のいずれの在留資格にも該当しないものの、わが国において相当期間の在留を認める特別な事情があると法務大臣が判断した者を受け入れるために設けられた在留資格です。
なかなか難しい言い方ですが、居住資格を与えることが適当である場合のうち、「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」のいずれにも該当しないときに与えられるものと考えるとわかりやすいかもしれません。
在留資格の概要
在留資格「定住者」とは
入管法別表第二において、「法務大臣が特別な理由を考慮し一定の在留期間を指定して居住を認める者」と規定されています。
どのような場合に認められるかについては2つがあります。
1つ目は、「告示定住」といって、法務大臣が予め告示として一定の類型の地位を定めておき、そのいずれかに該当するときに入国・在留を認める場合です。この告示は「定住者告示」と呼ばれます。
2つ目は、「告示外定住」と言って、告示の定めはないものの、個々に活動の内容を判断して、入国・在留を認める場合があります。
告示定住
定住者告示には、次の6種類(告示の号数で言えば8種類)が規定されています。
①認定難民以外の特定難民(第1号、2号)
②日系2世、3世(第3号、4号)
③定住者の配偶者(第5号)
④連れ子定住(第6号)
⑤6歳未満の養子関係(第7号)
⑥中国残留邦人関係(第8号)
在留資格「定住者」として新規入国できる場合、すなわち認定証明書交付申請ができる場合は、定住者告示に該当する者(告示定住者)に限られることになっています。

告示外定住
定住者告示に記載がない場合でも、法務大臣が、「告示外定住」として、認める場合があります。どのような場合に認められることがあるのか、主な項目としては次のようなものがあります。
(1)認定難民
法務大臣により難民として認定された者
(2)特別な事情を考慮して入国・在留を認められる主なものの例
ア 離婚定住
日本人、定住者または特別永住者である配偶者と離婚した後、引き続き日本に在留を希望する者
イ 死別定住
日本人、定住者または特別永住者である配偶者が死亡後、引き続き日本に在留を希望する者
ウ 日本人の実子扶養定住
日本人の実子を監護・養育する者
エ 婚姻破綻定住
日本人、定住者または特別永住者との婚姻が事実上破綻し、引き続き在留を希望する者
オ その他
上記以外でも、在留を認めるべき必要性及び日本への定着性が高く、独立生計要件や素行要件にも、特に問題がないような場合には、「特別な理由」があるとして認められる可能性はあります。
定住者告示に該当しない者が在留資格「定住者」を取得しようとする場合は、既に日本国内に在留する者が、現在有する在留資格から「定住者」への在留資格変更許可申請を行なうことになります。
必要書類
必要書類は、認定証明書交付申請、変更許可申請、期間更新申請等により異なります。また申請人が申請人が日系3世の場合、日系2世・3世の配偶者である場合、連れ子である場合、6歳未満の養子である場合などによっても異なる場合があります。
ここでは、申請人が連れ子で日本人の配偶者の方が扶養する場合の認定証明書交付申請に必要な書類を見ておきます。
1 在留資格認定証明書交付申請書
2 写真(縦4㎝×横3㎝) 1葉
3 返信用封筒(定形封筒に宛先を明記の上,404円分の切手を貼付したもの)
4 市区町村の役所(役場)から発行してもらうもの
(1) 日本人の方の戸籍謄本(全部事項証明書)
(2) 日本人の方の住民票(世帯全員の記載があるもの)
(3) 日本人または日本人の配偶者の方(収入の多い方)の直近1年分の住民税の課税(または非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの)
5 職業・収入を証明するもの
(1) 日本人または日本人の配偶者の方が会社に勤務している場合 日本人または日本人の配偶者の方(収入の多い方)の在職証明書
(2) 日本人または日本人の配偶者の方が自営業等の場合
a 日本人または日本人の配偶者の方(収入の多い方)の確定申告書の控えの写し
b 日本人または日本人の配偶者の方(収入の多い方)の営業許可書の写し(ある場合)
(3) 日本人及び日本人の配偶者の方が無職である場合 預貯金通帳の写し
6 その他
(1) 身元保証書
(2) 理由書(扶養を受けなければならないことを説明したもの,適宜の様式)
(3) 申請人の本国(外国)の機関から発行された出生証明書
(4) 申請人の本国(外国)の機関から発行された認知に係る証明書(認知に係る証明書がある方のみ)

家族滞在
在留資格「家族滞在」は、日本にいる外国人が、外国にいる家族を呼び寄せ、一緒に暮らすために設けられた在留資格です。
在留資格の概要
在留資格「定住者」とは
入管法別表第一に、在留資格「家族滞在」は、家族を呼び寄せることができる在留外国人が扶養する「配偶者または子」として行う日常的な活動をすることができる資格とされています。
たとえば、在留資格「技術・人文知識・国際業務」を持って日本で働いている外国人の家族が日本に滞在するためには、この資格を取得することになります。
この場合、認められる活動は、配偶者または子としての日常的な活動ですから、就労は認められません(ただし、「資格外活動」の許可をとれば、一定の就労が可能になります)。
家族を呼び寄せることのできる外国人
日本に在留する外国人のすべてではなく、就労資格をはじめとする一定の在留資格を持っている人にかぎられています。
ア 具体的には、入管法別表に列挙されており、「教授」「芸術」「宗教」「報道」「高度専門職」「経営・管理」「法律・会計業務」「医療」「研究」「教育」「技術・人文知識・国際業務」「企業内転勤」「介護」「興行」「技能」「文化活動」「留学」のいずれかの在留資格をもって在留する外国人となります。なお、この場合、「留学」については、大学、大学院その他法務大臣が認めている学校に限られ、日本語学校に留学している外国人は呼び寄せることができません。
イ 家族を呼び寄せることができる外国人は、扶養する能力を持っていることが必要です。
「家族」の範囲
「家族」とは、配偶者、子のことをいい、親や兄弟は対象になりません。
この場合、「配偶者」とは、現に婚姻が法律上有効に存続中の者をいい、内縁の者は含まれません。同性婚の者も含まれません(同性婚の方については、「特定活動」で認められる場合があります)。
また、「子」とは、嫡出子(結婚相手の子)のほか、認知された嫡出でない子、普通養子、特別養子なども該当し、年齢に制限はありません(この在留資格は扶養することを前提にしています。子の年齢が高くなると、日本で働くことを目的に来日する可能性も出てきますので、審査が厳しくなります)。

必要書類
家族滞在の手続には、例えば、「技術・人文知識・国際業務」など就労資格を持ち日本で働いていた在留外国人が海外から家族を呼び寄せるときや、「企業内転勤」等で家族と一緒に外国から日本にやってくるときのように、新たに日本に在留することになる場合は在留資格認定証明書交付申請を行います。
これに対して、例えば、「留学」の資格で在留していた方が就労資格で働く別の外国人と結婚したときのように、既に在留している人が在留資格を変更する場合は在留資格変更許可申請を行います。
ここでは認定証明書交付申請の必要書類を見ておきます。
1 在留資格認定証明書交付申請書
2 写真(縦4㎝×横3㎝) 1葉
※在留資格認定申請認定においては写真が必要。(変更・更新許可の場合、16歳未満の方の写真は不要)
3 返信用封筒(定形封筒に宛先を明記の上、404円分の切手を貼付したもの)
4 次のいずれかで、申請人と扶養者との身分関係を証する文書
(1) 戸籍謄本
(2) 婚姻届受理証明書
(3) 結婚証明書(写し)
(4) 出生証明書(写し)
(5) 上記(1)~(4)までに準ずる文書 適宜
5 扶養者の在留カード(在留カードとみなされる外国人登録証明書を含む。)または旅券の写し
6 扶養者の職業及び収入を証する文書
(1) 扶養者が収入を伴う事業を運営する活動または報酬を受ける活動を行っている場合
a. 在職証明書または営業許可書の写し等
b. 住民税の課税(または非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの)
(2) 扶養者が上記(1)以外の活動を行っている場合
a. 扶養者名義の預金残高証明書または給付金額及び給付期間を明示した奨学金給付に関する証明書
b. 上記aに準ずるもので、申請人の生活費用を支弁することができることを証するもの

