派遣労働者の同一労働同一賃金(8) 労使協定方式の賃金の決定方法【通勤手当、退職金】

同一労働同一賃金

前回、【基本給・賞与等】を見てきましたが、次は、【通勤手当】と【退職金】です。

通勤手当の決定方法

派遣労働者の通勤手当について、一般賃金のうちの通勤手当(「一般通勤手当」)と同等以上にする必要があります。この場合、通勤手当の支給方法によって対応方法が異なってきます。

局長通達に示された基準では、賃金構造基本調査その他の調査結果から、一般通勤手当を1時間当たりの時給に換算して「72円」(平成2年度)としたうえで、支給方法としては次の2つの選択肢を示していますので、いずれかを選択します。

<選択肢1>実費支給により「同等以上」を確保する方法

派遣労働者に対して支給される通勤手当が、通勤距離や通勤方法に応じて実費で支給される場合には、一般通勤手当(「72円」)と同等以上であると「みなす」こととされ、同等以上が確保されたこととなります。

ただし、上限がある実費支給の場合には、上限額を協定対象派遣労働者の平均的な所定労働時間により1時間あたりに換算した額が「72円」未満である場合には、次の選択肢2により取り扱うことになります。
(例)所定労働時間が8時間で週5日の場合、各月の上限額は72円×8時間×5日×52週÷12月=12,480円となるので、12,480円未満であるばあいには、派遣労働者の通勤手当を12,480円以上とすることが必要になります。

<選択肢2>一般通勤手当(「72円」)により「同等以上」を確保する方法

派遣労働者に対して定額支給している場合などは、派遣労働者の通勤手当を一般通勤手当(「72円」)と比較し、これと同等以上を支給することになります。

なお、従来、派遣労働者の基本給等が一般賃金を上回るものとなっている場合に、通勤手当を新たに支給することとする一方で、基本給を引き下げるというようなことは、不適切な取扱いとしてみとめられませんので、注意が必要です。

退職金の決定方法

退職金について、一般賃金のうちの退職金(「一般退職金」)と同等にする場合も、派遣労働者に対する退職金の支給方法により対応方法が異なってきます。

局長通達に示された基準では、支給方法には以下の3つの方法があり、いずれか一つまたは複数を組み合わせた方法を選択します。

<選択肢1>自社の退職金制度による方法
退職金制度の導入割合、最低勤続年数や支給月数の相場について局長通達で示してくれていますので、その中のいずれかを選択し、自社の退職金制度を比較します。

<選択肢2>退職金分として、賃金に上乗せして前払いする方法
局長通達により、各種調査結果をもとに、一般労働者の現金給与額に占める退職費用の割合(「6%」(平成2年度))を示してくれますので、派遣労働者に前払いする退職金相当の手当等の平均額を時給単位で計算し、これを上乗せします。

<選択肢3>中小企業退職金共済制度等に加入する方法
派遣労働者が、中小企業退職金共済、確定拠出年金、確定給付企業年金等に加入している場合には一般退職金と同等以上とされますが、この場合、中小企業退職金制度等の掛金額が局長通知で示される水準(6%)以上であることが必要です。

なお、一人の協定対象派遣労働者について、選択肢2及び3を併用することが可能ですが、その場合には選択肢2の賃金と3の掛金の合計額が、一般基本給・賞与等に退職給付等の費用の割合(6%)を乗じた額(一般退職金)と比較し、同等以上であることが必要です。

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さっと通信

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