派遣労働者の同一労働同一賃金(6) 労使協定方式の実務の流れ

同一労働同一賃金

次に、実務上採用されることが多い<労使協定方式>について説明していきます。

労使協定方式における実務の流れ

<労使協定方式>の業務の流れは、次によります。

ステップ1:過半数代表者の選出と労使協定の締結
過半数労働組合がある場合はその代表、ない場合は過半数労働者の代表を明らかにするところがスタートとなります。そのうえで、厚生労働省から示される同種の業務に従事する一般労働者の平均的な賃金(「一般賃金」)と同等以上にするなどの所定の要件を満たした労使協定を締結し、その協定を派遣元の社内で周知することが必要になります。

ステップ2:比較対象労働者の待遇情報の提供(派遣先)
また、労使協定方式においても一部の労働条件(教育訓練、福利厚生)については派遣先が情報提供をします。

ステップ3:派遣料金の交渉
派遣先と派遣元において、派遣料金の交渉を行います。

ステップ4:労働者派遣契約の締結
労働者派遣契約の締結を行い、派遣労働者を派遣することになります。

ステップ5:派遣労働者に対する説明(派遣元)
派遣先均等・均衡方式と同様、雇入れ時、派遣時に派遣労働者に対する説明が必要になります。
また、一般賃金に変更があったときは、派遣元は、協定改定の必要があるかどうかを確認し、必要に応じ上記の派遣契約の変更等も行います。さらに、派遣労働者からの求めがあった場合には、それに応じて派遣労働者に対し、労使協定で定めた事項や労使協定で定めた待遇の決定方法をどのように適用したかなどの説明が必要です。

労使協定の締結による均等・均衡待遇の確保

派遣元が派遣労働者の待遇について一定の要件を満たす労使協定を締結した場合は、労使協定方式を採用し、労使協定により待遇を定めることができます(ここで、教育訓練と福利厚生施設は、ここでいう派遣労働者の待遇から除外されていますので、これらについては派遣先均等・均衡方式と同様の基準が適用されます)。

この労使協定は、労働者の過半数を代表する者と、書面で締結し、次の①~⑥の事項を記載し、派遣元の全労働者に周知する必要があります。この労使協定は、36協定のように監督官庁(労基署)への届け出義務はありませんが、毎年度労働局に提出する労働者派遣事業報告書に添付する必要があります。

①対象者の範囲
労使協定の対象となる派遣労働者の範囲
②賃金の決定方法
次のア、イの両方に該当すること
ア.派遣労働者が従事する業務と同種の業務に従事する一般の労働者であって、当該派遣労働者と同程度の能力及び経験を有する者の平均的な賃金の額(「一般賃金」)の額と同等以上
イ.派遣労働者の職務の内容、職務の成果、意欲、能力等の向上があった場合に改善されるもの
③公正な評価
賃金の決定にあたって、派遣労働者の職務の内容、職務の成果、意欲、能力または経験等を公正に評価すること
④賃金以外の待遇
賃金以外の待遇について、派遣元で雇用されている通常の労働者との間に不合理な待遇差がないこと
⑤教育訓練
段階的・体系的な教育訓練を実施すること
⑥その他
・有効期間(2年以内が望ましい)
・労使協定の対象となる派遣労働者の範囲を派遣労働者の一部に限定する場合は、その理由
・特段の事情がない限り、一の労働契約の期間中に派遣先の変更を理由として、協定の対象となる派遣労働者であるか否かを変えようとしないこと

* * *

さっと通信

当ブログを閲覧いただきありがとうございます。

「さっと」こと、佐藤珠己は、新宿区で
社労士・行政書士事務所を運営しています。

お困りのことがあれば、相談を承っています。
(初回相談無料)

お問い合わせは、今すぐお気軽に。
連絡先は  https://www.sat-sr-visa.com/index.html