派遣労働者の同一労働同一賃金(4) 待遇に関する説明義務とは

同一労働同一賃金

同一労働同一賃金の実施にあたって、もう一つ重要なことが派遣法に規定されました。それは、派遣労働者の待遇に関する説明義務の強化です。

説明義務が課せられた背景

背景は2つあります。

1つ目は、派遣労働者に安心し納得して働いていただくことが重要ですから、待遇に関する説明が行われることが重要であることは言うまでもありません。

2つ目は、改正派遣法やパートタイム・有期雇用労働法によって設けられた均等・均衡待遇の要請は、私法上の効力を有する規定で、これが守られないときは裁判、あるいは改正派遣法で設けられた紛争解決制度で争うことができることになりました。そこで、労働者が訴訟等に訴えようとする場合に、待遇に関する情報を使用者側しか持っていないのでは労働者側に不利になってしまうので、労働者に対して使用者がきちんとした説明を行うことを義務として課すこととされました。

これまで説明義務がなかったのかといえば、そういうことではありませんが、パートタイム労働者、有期雇用労働者、派遣労働者等対象者によって非斉一的かつ不十分な面がありました。
すなわち、パートタイム労働者については、改正前のパートタイム労働法により、①雇入れるときの待遇の内容の説明、②労働者からの求めがあったときの待遇決定に際しての配慮事項の説明が必要とされていましたが、改正後のパートタイム・有期雇用労働法では、③労働者からの求めがあった場合の待遇差の内容・理由の説明も説明義務の対象に加えられました。
有期雇用労働者については、それまで規定がありませんでしたが、改正後のパートタイム・有期雇用労働法に位置付けられることになったことから、上記①②③のいずれも説明が必要になりました。
こうした中で、派遣労働者についてどうなったかですが、改正派遣法では上記①②をより具体的に規定し、③についても説明が必要とされました。また、派遣労働者については、これらの場合のほかに、上記①について派遣するときにも明示・説明が必要となります。より具体的には、次のとおりです。

派遣労働者への待遇に関する説明義務

(ア) 雇入れるとき
 派遣元は、派遣労働者として雇用しようとする労働者に対し、賃金の見込み、社会保険等の加入条件、事業運営、労働者派遣の制度について説明するとともに、雇入れにあたって次の事項を明示・説明する必要があります。
 ・労働条件に関する事項
・待遇差を解消するための措置
(イ) 派遣するとき
 派遣元は、労働者派遣をしようとするときは、派遣労働者に対し、次の事項を明示・説明する必要があります。
 ・労働条件に関する事項
・待遇差を解消するための措置
(ウ) 派遣労働者から求めがあったとき
 派遣元は、派遣労働者から求めがあったときは、次の事項を説明する必要があります。また、派遣元は、派遣労働者が説明を求めたことを理由として解雇その他不利益な取扱いをしてはなりません。
 ・派遣労働者と比較対象労働者との間の待遇の相違の内容及び理由
 ・均等・均衡方式及び労使協定方式により考慮した事項

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さっと通信

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