前回、派遣法に導入された二つの方式のうち「派遣先均等・均衡方式」を見ましたので、今回は「労使協定方式」を見ていくことにします。
労使協定方式の考え方
「労使協定方式」とは、派遣元と派遣労働者の代表(過半数労働組合または過半数代表者)とが一定の事項を定めた労使協定を結んだ場合には、原則的な方式である「派遣先均等・均衡方式」に則って行う必要はなく、この労使協定によって待遇を決定してよいというものです(法30条の4)。
ここで、労使協定に定めるべき「一定の事項」にどのようなものがあるかですが、いろいろな項目があるものの、賃金については、
① 派遣労働者の賃金を決定する際に、同種の業務に従事する一般労働者の平均的な賃金(以下「一般賃金」といいます。)以上にすること
②派遣労働者の職務の内容、成果、意欲、能力等の向上がある場合には賃金が改善されるものとすること
が求められています。
この方式では、賃金については一般賃金の水準を示す統計を基に対応することとなります。しかし、待遇の中には賃金以外のものもあり、賃金以外の待遇については、次のような対応になります。
① 派遣先が実施すべき教育訓練及び業務の円滑な実施に資する福利厚生施設で省令で定めるもの(給食施設、休憩室、更衣室)については、派遣先で均等・均衡を確保すべきとされています(派遣元は「派遣先均等・均衡方式」と同じように、派遣先から情報を提供してもらうことになります)。
② それ以外の派遣元が実施すべき事項(慶弔休暇など)については、派遣元の通常の労働者との比較において適切に決定していくこととなります。
どちらの方式を採用するか
「派遣先均等・均衡方式」と「労使協定方式」のいずれを採用するかは、派遣元が派遣先と調整を図りつつ決めていくことになります。
この場合、「派遣先均等・均衡方式」は実際の派遣先の比較対象労働者との比較によりますので、わかりやすく、個別の事情に対応できるというメリットがありますが、反面、派遣先から派遣先労働者の待遇について情報提供を受けなければならないという高いハードルがあります。また、派遣の都度、派遣先の待遇に左右されるため、派遣労働者の長期的・安定的なキャリア構築が難しいという事情もあります。こうしたことから、「労使協定方式」が選択されることが多い状況にあります。
ただし、労使協定方式の場合の注意として、この方式は一定の事項を定めた労使協定を結んだ場合に認められる例外的な方法であるので、労使協定が適切な内容で定められていない場合、労使協定が順守されていない場合、労働者代表の選出方法に不備がある場合等などでは認められず、派遣先均等・均衡う方式が適用されることとなりますので注意が必要です。
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