厚生労働省は、7月1日、令和元年度における個別労働紛争解決制度の取扱い状況を公表しましたが、この中で、この中で「いじめ・嫌がらせ」事案の増加が一層顕著になっています。
個別労働紛争解決制度とは、職場の労働問題を解決するため、都道府県労働局に設けられているものです。相談や労働局の指導助言が行われ、さらに、自主的な解決が難しいときには法律の専門家によって構成する紛争調整委員会があっせんをしてくれます。
まず、相談(総合労働相談)の状況ですが、相談件数が1,188,340件(前年度比6.3%増)と持ち込まれる相談全体が増加しています。このうち、労働基準法上の違反を伴わない、いわゆる民事上の個別労働紛争相談件数といわれるものが、279,210件(前年度比4.8%増)と上昇しています。
民事上の個別労働紛争相談件数を内容別に見てみます。まず、相談内容が複数わたる事案があるため、内容延べ合計件数(342,966件(前年度比6.0%増))を求めて、その内訳を見ていくことになります。その内訳ですが、「いじめ・嫌がらせ」が87,570件(前年度比5.8%増)と断トツのトップです。8年連続トップで、しかも前年より増加しています。ちなみに2位、3位は「自己都合退職」40,081件(前年度比2.9%減)、「解雇」34,561件(前年度比6.0%増)が続きます。
紛争調整委員会によるあっせんの状況も見てみますと、申請件数が5,187件(前年度比0.3%減)、内容延べ合計件数では5,454件(前年度比0.4%減)となっています。こちらの内訳でも、「いじめ・嫌がらせ」1,837件(前年度比1.6%増)が6年連続トップで、以下「解雇」1,073件(前年度比3.5%減)、「雇止め」479件(前年度比6.9%増)が続きます。
本年6月にパワハラ防止法が施行になりました。各職場でのハラスメントへの関心がますます高まってきますので、いっそう適切な対応が求められます。

