日本の新型コロナウイルス感染者数は各国に比べて圧倒的に少ないものとなっています。各国のようにロックダウンもしていません。そうすると、新型コロナ感染症の経済に対するマイナスの影響は各国に比べて少ないように思えるのですが、そうでしょうか?
経済協力開発機構(OCED)は、6月10日、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている世界と主要国・地域の「経済見通し」を発表しました。これによると、世界各国の経済成長率は大きな落ち込みが避けられません。そして、日本の経済成長率の落込み幅は、2020年は欧米よりも軽微ですが、2021年の回復が期待される局面では日本の回復が遅れ、経済的困難が長期化する恐れがあることが予測されています。
OECDは、見通し作成の前提として、今後の新型コロナウイルス感染症の影響がどのように出現するかについて、①このまま収束するという<単発シナリオ>と、②2020年末までに第2波が襲来するという<双発シナリオ>の2種類のシナリオを用意しました。そして、①の場合は、2020年の世界の経済成長率は△6.0%と落ち込みますが、年の後半から経済活動が再開されるので、2021年はプラス5.2%まで回復すると予測しています。しかし、②の場合は、2020年の世界の経済成長率は△7.6%とより一層落ち込むとともに、2021年はプラス2.8%と回復が遅れると予測されます。
こうした中で、国・地域別の見通しも予測されました。
①の<単発シナリオ>の場合の日本について見てみると、2020年が△6.0%、2021年は2.1%と予測されます。2020年が△6.0%という見込みは、もちろん厳しい数字ですが、米国(△7.3%)やユーロ圏(△9.1%)よりも落ち込み幅が小さくなっています。しかし、2021年が2.1%という見込みは、米国(△4.1%)やユーロ圏(6.5%)よりも低く、日本は回復が遅れるだろうと予測されています。
また、②の<双発シナリオの場合>の場合はもっと深刻で、日本については2020年が△7.3%、2021年は△0.5%と予測されています。2020年が△7.3%という見込みは米国(△8.5%)やユーロ圏(△11.5%)よりも落ち込み幅が低いものの、2021年が△0.5%というマイナス成長の見込みは、米国(1.9%)やユーロ圏(3.5%)がプラスに転化している中で、日本だけは2年続けてマイナスとなるだろうと予測していることになります。
このように、OECDによりますと、日本は、2020年については感染者数の多い欧米よりも経済成長率の落込み幅が少なくて済みそうですが、2021年については欧米各国以上に厳しい状況が見込まれています。
<参考>
http://www.oecd.org/tokyo/newsroom/global-economy-faces-a-tightrope-walk-to-recovery-japanese-version.htm

